虫歯を放っておくと思いもよらない結果になり得る

虫歯を放っておくと、最悪の場合、死に至ることがあります。
実際、18歳という抵抗力のありそうな若い年代でも、虫歯を放置したことによる敗血症で亡くなった例があります。
虫歯を放置し、その結果増えた口腔内細菌が血管を通して全身に運ばれ、肺でひどい炎症が起きたためでした。
こうしたケースもあるため、虫歯を放置するのは危険です。

虫歯は最初、歯の表面のエナメル質が溶けることから始まります。
その段階で治療をすれば、ほとんどの場合大事には至りません。
しかし放置していると、虫歯はどんどん進行し、歯の神経にまで達します。
ここまで悪化すると、ひどい痛みが生じるため、歯医者に行く人が多いです。

しかしそうせずにそれでも放置すると、歯の根のほうにまで細菌が侵入し、やがてその先にあるあごの骨にまで到達します。
あごの骨の内部は、意外に柔らかい組織となっており、その後そこで化膿が始まります。
柔らかい組織は骨髄と呼ばれるもので、血液が盛んに流れている組織です。

その血液に細菌が入り込み、全身に運ばれます。
通常は免疫細胞が細菌を退治しますが、悪化した虫歯を放置したことで化膿が続くと絶えず細菌が全身を巡ることになり、免疫細胞が疲労して機能しなくなる可能性もあります。
機能しなくなると、細菌を抑えるものがなくなって敗血症が引き起こされることもあるようです。
敗血症は致死率の高い疾患で、3人から4人に1人は亡くなります。
そうならないためには、重症化する前に治療を開始することが大事です。

細菌が心臓に入ると狭心症という疾患に、更に重症化すると心筋梗塞や感染性心内膜炎になる場合があります。
細菌が血液を介さずに、唾液から肺に入る可能性にも要注意です。
虫歯を放置し、そのために細菌が増えていると唾液中の細菌も多くなります。
通常なら肺には唾液が入りませんが、高齢者の場合や睡眠中の場合などは肺に入ることがあります。
その結果、肺炎が引き起こされる危険性があることにも注意しなくてはなりません。

虫歯は確かにごく初期であれば、唾液の働きで治る場合があります。
しかし、悪化した場合は放置するのは厳禁です。
特に、眠れないほどの痛みがあっても治療しないというのは厳に慎むべきでしょう。
その痛みはやがてなくなりますが、それは治癒したからではなくもっと深くに細菌が侵入したからであると考えましょう。
そこは骨髄であり、そこからは血液に乗って細菌が全身に運ばれます。